「…え?竜君が手に入れたの?」
「そう!でも俺の愛するひよりんに食べてもらいたいなぁ〜と思って!ってことで、はい!あ、でも感想は聞かせてな?」
そう言って竜君は私の机にプリンとスプーンを置く。
「…ありがとう。」
みんなの視線が私に突き刺さる中で、私はおそるおそるプリンを口に運ぶ。
「…どう?」
ごくりと生唾を飲み込みながら、竜君が私の顔を覗き込む。
「…おいしい!なにこのプリン!私初めてだよ、こんなにおいしいプリン食べたの!」
竜君に勢いよくそう言うと、竜君は満足そうに頷いた。
「ひよりんにそう言ってもらえてかった!…やっぱ、ひよりんには笑顔が一番やから。じゃ、ほな帰るわ!」
それだけ言うと、竜君は来た時と同じようにドタドタと足音を立てながら帰っていった。
残ったプリンと、竜君が去った教室のドアを見比べる。
…もしかして、竜君…
私のこと、元気づけようとしてくれたの…?
そのためにわざわざ…プリンを買いに頑張ってくれたの?
「…竜太郎先輩って、謎だね。まぁかっこいいし面白いからいいんだけど。」
友香がクスクスと笑いながらプリンを見る。
「…ね。だけど、竜君は優しい人なんだよ。」
竜君にもらった桜凛プリンのおかげで、重かった気分が少し軽くなる気がした──…。

