「…夕都、あのね…。上手く言えないけど、私にできることがあったら言ってね?話聞くとか…それくらいは出来ると思うから。」
…夕都の、辛そうな顔は見たくないよ…。
すがる思いで夕都を見ると、夕都は少しだけ困ったみたいに曖昧に微笑んだ。
「…そろそろ戻るけど、陽依は?」
しばらくして、夕都がそう言って立ち上がった。
「私、もう少し庭を散歩していくから、先に戻って。」
夕都にそう言って笑いかけると、夕都は頷いて寮の中へと戻っていった。
…夕都の表情が、忘れられない。
何があったんだろう…。
ぐるぐるする頭のまま、庭を散歩していると、入寮して間もない頃に見つけたトトロの抜け道が目に入った。
…そういえば、気になりながらもここには触れていなかった。
だけど、どう見ても不自然な穴。
気になった私は、抜け道の奥に進んでみることにした。
これが、よけいに私の運命を狂わせることになるなんて──…

