「…蓮、拓海は?」
「あ…多分、来賓の方に挨拶してると思います。」
…蓮さんに話しかける、一人の男性。
『香坂社長』ってことは、この人がたっくんのお父さん…?
「…おっと、失礼。蓮には先客がいたのか。」
私を認識して、たっくんのお父さんがそう言った。
「はじめまして。私、音宮陽依と申します。…拓海くんに、いつもお世話になっています。」
そう言って挨拶すると、たっくんのお父さんの目が鋭く光った。
「…失礼ながら、貴方のそのドレス、拓海が?」
「…えぇ。拓海くんに、デザインしてもらったものです。」
緊張しながらそう言うと、たっくんのお父さんがじっと私を見つめた。

