「…お待たせしました。」
S寮のリビングで私を待ってくれていたみんなに、私は声をかける。
「おっせーよ陽…」
くるりと遥季が振り返った瞬間、遥季の動きが停止する。
「…ひよりんめっちゃかわええやん!今すぐ連れ去りたいわ!」
「竜太郎、ヘンタイ。陽依が引いてる。」
竜君と夕都君の会話に私は苦笑いしてしまう。
「…馬子にも衣裳、だな。」
「…棗さん!」
キッと棗さんを睨むと、棗さんは面白そうに笑った。
「みんな、残念だね。陽依ちゃんをエスコートするのは俺だから。」
「…え?」
「パーティー会場まで、俺がエスコートすることになったんだ。じゃんけんで勝っちゃった。」
樹さんはそう言って、手を出していたずらっ子のように笑った。
…それにしても。
みんな、タキシードのような正装をしていて。
みんながそれぞれ似合っていて。
…こうしてみると、ホントに王子様みたい。
それは、思わず目を奪われるほどだった。

