「…遥季?」
ため息をついた後、遥季は私の足元にひざまずいた。
そして、優雅に私の手を取る。
「一曲、お相手願えますか?」
恭しく腰を折ったあと、にこりと笑う遥季。
…その所作があまりに美しくて、私は目を奪われてしまう。
遥季を見つめたまま、何も言えなくなった。
「…返事。」
「あ…はい。」
遥季に促されて、私はあわてて返事をする。
そんな私の頬を、遥季は突然ムギュッとつねった。
「!ひはっ…はふひいはいほ!」
私の言葉にならない抗議を聞きながら、遥季が勝ち誇ったように笑う。
「返事するときは微笑んどけ。誘う方も少なからず勇気がいんだよ。」
「…なるほど。」
…教わることが、山ほどありそうな気がする。

