群青ホームラン




校内には人気(ひとけ)はなくて本当にみんな体育館に集結してるらしい。俺が青木を連れて行った場所は屋上。

この学校で一番好きな場所であり、唯一落ち着ける空間。


「わー。屋上広いんだね」

青木は小走りをしてニコリと笑った。

なんかこの場所に青木がいるのはやっぱり変な感じだ。普段ならありえないし、多分文化祭がなかったら実現しなかった。

俺はいつも座っている場所に腰を下ろして青木を近くに呼んだ。


「付き合う前、ここで何度も青木のことを考えてたんだ。この空を見てどうすればいいんだろって」

ごろんの仰向けになって綺麗な青空に目を向ける。


「麻奈が前にね、冴木くんはいつも屋上にいるって言ってた。だから今日ここに来れてすごく嬉しい」

幸せな時間。こんな時間がこの先もずっと続けばいいなって本気で思う。


「ねえ、青木」

俺はスッと起き上がって語りかけた。


「これからはもっと色んなことを話そう。嫌だなって思うことも我慢しないで全部」