君 距 離 〜キミキョリ〜




ただ1人、ベンチに座り、静かに涙を流した。


「……っひっく……咲子のバカ…っ」


どうして…?

どうして気づかれてしまったの?

必死に隠してたのに。















…違う。

ワタシは、気づいてほしくない、と頭と口では言っていたけれど、本当は咲子に気づいてほしかったのかもしれない。

何で咲子を責めてしまったのだろう。

咲子は何も悪くないのに…。

ワタシは最低だ。

戦う勇気が無いだけなんだ。

いつでも自分を守ってる。

そのことを初めて知った。