「そろそろ、戻れるか?」

「…うん」


ワタシが泣き止むまで、ずっと隣にいてくれた一樹。

一言も喋らず、ただ隣にいてくれた。

いつからだったのだろう。

一樹にバレてたのは。

思う存分泣いたら、気分が晴れ晴れした。


「あ、やっと戻ってきたぁ」

「どこ行ってたんだ?」

「えっと…な」

「立ち読みしてたんだ!
今日発売の雑誌があったから!」

「なぁんだ」

「加奈…」

「さ、一樹、勉強しよ?」