「――タスク」 「うん?」 さわさわと優しい風が平原の草を揺らしていく。 「あなたがあたしを処刑したときのこと、覚えている?」 「………」 あぁ、覚えているよ。 運命とはいえ、愛する人を手にかけたのだから。 君が受けた苦しみは、今でも俺のからだに残っている。 「あれは最大のトラウマになった。おかげで俺、首周りに物をつけられなくなったし」 自嘲気味に笑う俺に、蜂谷は「あたしは違う」と切なそうな表情で微笑んだ。