教室で1人でいることが多くなった蜂谷に対して、俺は救いの手を差し伸べられない。

蜂谷を助ければ、また同じことの繰り返しになるのが目に見えていたから。



ひとりぼっちの蜂谷はいつもと変わらない様子で1日を過ごす。

放課後になれば、教室に残って磯辺を待つ。





冬休み、1週間前。

蜂谷はその日、頭が痛いとかで学校を休んだ。


翌日には来るだろうと思っていたのに蜂谷の欠席は続き、とうとう終業式までも休んでしまった。




「……先生」




ホームルームを終えたあと、教室を出た担任を追いかけ、職員室に入ったところで声をかけた。