役に入り込んで、予定外の行動をしてしまうのはよくあること。 大介くんみたいに役にのめり込みやすい人ほど、よくやってしまうことだから、別に不思議じゃない。 「……あっ。」 大介くんが、我に返ったように顔を起こし、口元を手で抑えた。 自分の失敗を、初めて気がついた瞬間。 ―…抱きしめたとか、そんなのとはワケが違う。 キスをしてしまったのは、大きな、大きな、間違い。