大介くんは、あの時みたいに、私をあんな風に熱っぽく見つめているんだろうか。 顔に視線が突き刺さっている気がして、なんとなく頬が熱くなっている気がする。 ……だめ。私は今、気を失っている白雪姫だから。 一瞬たりとも、動いてはいけない。 演技に、集中しなきゃ。 『……っ。』 でもね、無理だとわかったの。 王子と姫が口づけをするシーン。 実際にはやらないけれど、近づいた大介くんの顔と息づかいを感じて。 思わず、肩をすくめてしまったから。