慟哭の彼方



店からの帰り道、彼は知った顔と出逢うことになる。

今になってしまえばそれすら必然だったようにも思えるのだが。


「ハイゼル!」

表情筋を緩めたまま向かってくるのは彼の親友とも呼べる少年だった。

…いや、正確に言えば。

「おぅ、どうしたよこんな所で」


「親友」だと、嘘をつき続けているのだ。

彼に対しても、自分の心に対しても。


目の前で微笑む彼は今でこそこれ程明るくなったが、昔はとても暗い印象を与える人だった。