ロンリーウルフ


不良少年はダルそうに濃紺のズボンをはいて、やけに膨れた長財布を後ろのポケットに突っ込んだ。

まだアザの消えない顔。

かさぶたの目立つ腕。

白目もまだ、赤く充血している。

そして自宅から持ってきたと思われる大きな袋を足で壁に寄せ、

「お先~」

と言って玄関へ。

「ちょっと待ってよ」

追うと、うざったそうにこちらを向いた。

「なんだよ」