ロンリーウルフ


私が声をかけたときには、彼は上体を起こしていた。

街灯に照らされ輝きを放つ、明るい髪色。

白いシャツはまだらに汚れ、うつろな表情から酷く弱っているのがわかる。

よく見ると顔にいくつもアザがある。

目も当てられないほど痛々しい。

彼は視界に私を捕らえると、うつろだった顔をキッと引き締め、

「はぁ?」

と思い切りあたしを睨みつけた。

何だコイツ。

あたしは気にかけたことを後悔した。

見たところ、高校生だ。

白シャツの胸ポケットに、校章のような模様が入っている。