「あ、彩音さん」 刺青だらけの厳つい腕をムキムキしながら、相川さんは優しく微笑んだ。 「はい」 あたしはあくまで、喉が渇いたから水を飲みに来ました的なスタンス。 「誰か、呼べない?」 「……すみません。お誘いのメールは送ったんですが、いい返事はもらえてないです」 「そっか。今日、まだ水曜だからね」 「ええ、サラリーマンは金曜でないと難しいみたいです」 役立たずなホステス。 客の一人も呼べないなんて使えねーな。 なんて思われていませんように。