カサッ――…… 微かな音に、全身が震えた。 再び足が止まる。 風はない。 ということは。 「生きてる……?」 恐る恐る、振り返る。 そこにはやはり、街灯に照らされた脚がある。 カサカサッ 確かに聞こえる、音。 周囲のゴミ袋がわずかに動いた。 カサカサカサッ 再び音がして、脚がゆっくり曲がった。 どうやら彼は生きている。