「納豆巻き」 「……は?」 「食いたい」 「……はいはい」 納豆巻きを記憶して、今度こそ立ち上がろうとする。 しかし、レイヤはまだ腕を放さなかった。 「なによ」 苦しそうなしかめっ面。 ゴツゴツした、傷のある腕。 あたしの手首を掴む手がバカみたいに熱い。 潤んだ目はあたしをまっすぐに見つめて、一旦ごくりと喉仏が動いた。 「惚れた」 掠れてあたし好みの声だった。