「そうやなぁ。あたしのこと養ってくれる力があるなら考えたるわ」
レイヤは軽く舌打ちをして、その後に深いため息をついた。
自分にその力がないことは、よくわかっているようだ。
「あたしな、最近失恋してん」
「え? 失恋?」
「あんたのせいやねん」
「は? 俺?」
「あんたや。でも、それでよかったと思ってる」
頭に相川さんと向日葵の笑顔が浮かんだ。
馬鹿正直に彼の笑顔を信じ、あってないような店のルールを守ろうと、必死に思いを隠してきた。
あたしもまだまだ世間知らずの学生だ。
偉そうに年上ぶってきたけれど、実際はレイヤと大して変わらないのかもしれない。
世間のズルさや厳しさを知り、絶望の淵で必死に踏ん張る、似た者同士だ。



