部屋に帰ると、レイヤはテレビを見ながら納豆巻きをかじっていた。
「おかえりー」
穏やかなその顔に、もう目立つアザはなくなっている。
かさぶたと白目の血はまた残っているが、顔は随分キレイになった。
じっと顔を見つめてみる。
響香には全然似ていない気がする。
響香と同じ、大きな二重まぶただけど。
響香と同じ、色白の肌だけれど。
似てない気がする。
ただの願望かもしれないが。
「どうした?」
「別に」
「またしたくなった?」
「全然」
あたしのたどり着いた答えは、勘違いなのだろうか。
勘違いなら、そっちの方がいい。



