ロンリーウルフ


こうして自分の生活が確立してきた頃、あの電話がかかってくるようになった。

「沙紀ちゃん? お母さんやけど……」

誰が払うもんか。

初めはそう思った。

だけど、まだ高校生の弟と中学生の妹のことを思うと……。

「わかった。今回だけやで」

そう答えざるを得なかった。

そのうち金の請求は頻度を増し、今では週に一度のペース。

シカトすると、催促の電話が来るほどに。

さすがに毎週4万円も請求されるってことはないけれど、最近は月に最低でも5万円は持っていかれる。