ロンリーウルフ


「レイヤ」

呼び掛けても反応がない。

「レイヤってば」

体を揺すって、なんとかあたしに気づかせる。

寝惚けたレイヤは大きな目を半分開けて、

「なんだよ……起こすなよクソババァ」

と憎まれ口を叩いた。

あたしはもう、それすらも切なくて、たまらなくなった。

「レイヤ……!」

涙まで溢れてしまうほどに。

「サキ?」