聞き耳を立て、ドアの横に立った。 話し声は、わりとしっかり聞こえてくる。 「そのガキが100万持ってきたんですか?」 「いや、70万だった。問い詰めたがガキが抜いたわけではなさそうだったから、見逃した」 「あとの30万、どうするんすか」 「響香の給料引きってことで、オーナーと話がついた」 そうかそうか。 本当に解決したのか。 良かった……。 「それにしも、そのガキって一体いくつなんすか?」 「響香、託児所とか使ってないっすよね」 「バーカ。そんなちっこいなら、ボコらねーっつの」