ロンリーウルフ


「風呂、貸して」

「は?」

「あと洗濯機」

「はぁ?」

さも当然かのように、あたしに近づいてくる。

すると、鼻を突くような異臭がした。

「くさっ」

生ゴミにまみれていたのだから仕方ないが、夏の蒸し暑さも手伝って、なかなかの臭い。

「だから、貸して」

さすがにそれじゃ可愛そうだと思い、とうとうあたしはそれを了承してしまった。

思えばそれが間違いだった。

ガキだからって、ナメていた。