「どうしたの? ため息なんかついて」 そう言われて顔を上げると、 「彩音ちゃんにしては珍しく疲れてる」 客の松田さんがそう言った。 自分がため息をついたことすら気付かなかったあたしは、 「ごめんなさい」 と軽く頬を叩いた。 今は仕事中だ。 しっかりしなくちゃ。