入ってくる客が ぬれているのが分かった 「雨…」 雨まで降ったら 天ノ川はもう無理だな… なんなんだ今日は。 くもりだし、 大繁盛したし、 挙げ句雨は降る。 店に居る最後の客が帰った…。 「はあ、」 不意に出た溜め息は 忙しかったからではなく 夕方になっても来ない彼女に向けて もしかしたら、誰かと 七夕を楽しんでいるのか? 僕の足は勝手に 彼女の特等席へ移動した イスからみる厨房は なんだか変な感じだ… …彼女はいつもここで… ―トン ? 「そこ、私の席」