それでも、リースにいる時は何も気にせずにみんなで過ごせる。





貴重な時間だ。





そんなリースで過ごしていると、四人揃ったところに扉が開くベルが店に鳴り響く。





「いらっしゃいませ」





倫子がそういうと、そこに立っていたのは梨由だった。





「いらっしゃいました」






悪戯な笑み。
私は久しぶりに会えた梨由に嬉しい気持ちと、不安が一気に押し寄せてきた。






「梨由」





私より先に、詠士が名前を呼ぶ。






ずっと、悩んでいたんだよね。





「みんな、この前はライブに来てくれて、本当にありがとうございました」







いつもの梨由だ。






みんなに明るく振る舞う、嫌味のない人。