そう見あげたら樹は、ん~、とうなって
「もうもらったからいいや」と言った。
「へ? いつ? あげてないよ?」
「この前の晩、俺の部屋で」
「…………」
たぶん、あの仲直りの夜――。
「すげー大事なもんもらったし」
大事なもの…………?
それはわたしがなりふり構わずに伝えた
樹への“想い”のことか
それともあの夜2人がひとつに結ばれたこと自体を言ってるのか
それとも……
おそらく大人な樹にはわかっちゃったと思うんだけど
大淀とは何もなくて、わたしの“初めて”は
ああして樹に捧げることになったわけで――
そのことについて言ったのかなぁ……?



