トラックが家の前に着き、いつものように降りようとしたとき 樹がギュッと私の手をとった。 「部屋、来るか?」 「え……」 彼の目がじっと、わたしを見つめる。 へ、部屋……? 本気で言ってる? 「い、今から?」 「遅いよな」 「樹、仕事だよ?」 「うん……」 行く、って言おうとしたとき、 シートにグッと両肩を押さえつけられた。 「真琴……」 おおいかぶさるように重ねた唇が、すごく熱い。 いつもとは違う乱暴な舌の動き。 樹……。 荒い吐息が耳にかかって 声がもれそうになる。