「エアコン寒くないか?」 前を向いたまま樹が訊いた。 「うん、平気」 「後ろ、寝ちゃってるから、ちょっと弱くしとくな」 振り返ると、みんな見事に夢の中。 「あはは、はしゃぎすぎだったよね~」 「みんな楽しそうだったな」 「うん」 「いい友だちだ」 「うん!」 『友だちなんかいらない』 『もう誰も信じらんない』 運転する樹の横でそう言って泣いた日もあったのに……。 あれから、もう2年以上が過ぎたんだ。 「…よかったな」 樹の横顔が笑った。