「やっぱ渋いよ。大淀、大人っぽーい」 って女子の一人が嬉しそうな声を上げた。 プ、大人っぽい? 樹と比べりゃてんで子供じゃん。 なーんて子供が子供を笑ったとき、またもそいつの無愛想な瞳と目が合った。ひぇ… 「大淀―っ」 向こうからやんちゃそうな男子たちに呼ばれて、そいつは去っていく。 だから笑えよってば。怖いじゃん。 “大淀”ね。近づかないようにしよう、って ちょっと思った。