「今すぐ来てくれなきゃイヤ! 寝るんならこっちに来てから寝て!」 小さく叫ぶようにそう言ったら、静かな声が返ってきた。 「そうだな……。そうする。場所どこだっけ?」 「場所…」 えっと、大淀に説明してもらおうと思ってたんだ。 「貸して」 いつの間に横にいたのか、大淀がわたしの手からスルリとケータイを奪った。 「もしもし? ああ、はい、上野の友だちです」 樹の声は聞こえない。 「住所? てゆーか、別に無理して来てもらわなくて結構ですよ」 なんて大淀は言った。 エ、エーッ!?