――… ビクドンの空いている店内を案内されて、わたしたちは席に着く。 窓際の4人掛けのボックス席。 そっと前をうかがうと、樹はポケットから携帯と、さっき交換したばっかのプレゼントの包みを取り出してテーブルに置いた。 「おっしゃ、早速つけようぜ、仲良しのしるし」 「仲良しのしるし?」 「おそろでつけたら離れていても淋しくないんだろ?」 なんて可愛いことを言う。 ぷふっ、普通の大人は「仲良しのしるし」なんて言葉つかわないよ。 わたしも包みを開けて、ストラップを取り出した。