「い、いらない」 「十字架って、なんか神様に守られてる気がするだろ?」 クリスチャンでもないけど、と樹が笑った。 今すぐ店員さんを呼んでケースから出してもらいそうな勢い。 「いいよ、いらないからっ」 「こういうの嫌いか?」 そうじゃないけど… 好きだけど… お守りならいいの持ってるもん。 困っていたら樹がフッと息をついた。 「俺わかんねーんだよなぁ、こーゆーの。 真琴、自分で選びな」 気に入らないんだと思われちゃった。 樹が選んでくれたのが一番欲しいに決まってるのに。