翌日の昼休み、学校にて――




「えー、何でそこでブチュッとしないの?」


「つきあってんだから!」


いつもながらの樹の別れ際の愛想なさをボヤいてると、サホリンとミャンマーに笑われた。


「てか、キスしてって言えばいいーじゃん」


「えー…」


「恥ずかしければ『ん』って目をつむるだけで通じるし」


ミャンマーが「ん」って可愛く目を閉じて見せてくれた。


「こんなのスル―する彼氏いないよ」


サホリンも推してくれる。




「そーなんだけど…。トラックの中広いから運転席と助手席微妙に遠いんだよね。

ズリズリ寄ってってそーゆーことすんの、タイミングがうまく計れないっていうか…」


「あはは、一応試みようとはしてるわけだ?」


コクコクとわたしはうなずいた。