「それは…できないけど」 「ほらね? 何でもできるってわけじゃないじゃん」 キョトンとしていた大淀の顔が次第に緩んでくる。 「あっはっは、何だそれ? うらやましくねーの」 「何でよ!」 「大型車なんて免許取りゃ誰でも運転できるじゃん」 「でも持ってないんでしょ、大型の免許」 「だって兄貴はいらねーもん、そんなの」 「樹は牽引の免許もフォークリフトの免許も持ってるもん。全部ちゃーんと勉強して取ったんだからね。 おまけに運転してるときの樹はめちゃくちゃカッコいいんだから!」