いつも通りの短い電話だった。 その短い電話の、樹の声だけを頭の中で何度もリピートする。 もう覚えちゃうくらい。 それからさっきのメールをもう一度開いた。 ふふ、可愛すぎて笑えるね。 …でも、自分の中で何かが変わった気がした。 ねぇ樹―― もしももしも樹の胸の中に 別の誰かが棲んでいたとしても 樹がわたしのことを彼女だと思ってくれるのなら、わたしは構わないよ。 樹のそばにいられるなら、それでいいよ。 本気でそう思ったんだ――