「…はい」 「真琴?」 いつもと変わらぬ低く優しい声…。 「怒って…ないの?」 恐る恐る訊いたら、電話の向こうで彼がプスッと笑った。 「それはお前だろ…?」 あ、普通すぎて泣きそう…… 「言っとくけど俺、あんな寒いメールしたの生まれて初めてだからな。今すぐ消去しとけよ」 照れくさそうに言う。 「………嫌、消さない」 と言ったら彼はゲラゲラ笑った。 何が可笑しいんだか…?