「おっ、夏の少女だな」 うつむいたわたしの頬に大きな手が添えられる。 くいっとわたしを上に向かせると、樹の指がきゅっと軽く頬をつまんだ。 「…可愛いよ」 う…… 「た、樹も…カッコいいよ」 泣きそうになってそう返すと、何がおかしいのか彼はヒャヒャって笑い「サンキュ」って言ったんだ。