「サホリーン!」


教室の中央に座るサホリンにも教えてあげる。


ひらひらって、わたしが三山さんを指差すと「あー」って叫んでサホリンも飛んできた。




「ね、テニス部入る?」


「うん」


「わたしも」


「スゴイ! 楽しくなりそうだ」


「ね」



みんなの顔が上気している。




「わたし三山由佳。ミャンマーって呼んで」


「…ミャンマー?」


「三山、だからかな」


人懐っこい顔してミャンマーが笑った。


「わたし真琴」


「わたしサホリンで」