「ん?」 後ろの席を振り返る。 「どこ中?」 と大淀が訊いた。 「へ、緑中…」 前にも訊かれたんだけど。 「俺は?」 「え…橘中」 わたしがそう答えると、彼の眉がちょっとだけ動いた。 「覚えてんだ、俺のこと」 はっ? 「………」 冗談なのか何なのかわからない。 表情なさ過ぎ、この人。 フェードアウトするように前を向き直った。 変な会話…! 初めっから「なぁ俺のこと覚えてる?」って訊きゃあいいじゃん。