寄越しなさいと言ったくせに、あたしが手を動かす前にパッと手を掴まれる。
あたしよりもはるかに大きな手がそっとあたしの手を包んだ。
「温めて差し上げますよ。これでケチという言葉は撤回していただけますね?」
「っ…!いきなり何すんのよっ!」
そう言って振りほどこうとするけど、夏原の力は意外と強い。
…つまり、太刀打ちできない。
「何って、温めて差し上げると言ったでしょう?人の話はきちんと聞くべきでは?」
「聞いてるっつーの!あ、待って!あと何秒!?」
「…何がですか?」
「カウントダウン!時計見て!」
「…残り17秒です。」
「ぎゃーやばい!あ、10秒前からカウントダウンだよ?夏原も!」
「カウントなど、私達がせずとも時計がしてくれ…。」
「あーそういう理屈っぽいことはなし!はいいっくよー!10、9…ほら夏原!」
「…5、4…。」
「3、2、1…ハッピーニューイヤー!
あけましておめでとう!夏原っ!…っ!近いんだけどあんた!」
ちょっと…勢いをつけすぎたあたしも悪いけど…
夏原が本当に少し見上げた先にいる。
「近いと言われても手を温めているわけですし。
…それより、あけましておめでとうございます。」
「…お、めでと…。」
…なんなのよこいつ…人の気も知らないでー!
あたしよりもはるかに大きな手がそっとあたしの手を包んだ。
「温めて差し上げますよ。これでケチという言葉は撤回していただけますね?」
「っ…!いきなり何すんのよっ!」
そう言って振りほどこうとするけど、夏原の力は意外と強い。
…つまり、太刀打ちできない。
「何って、温めて差し上げると言ったでしょう?人の話はきちんと聞くべきでは?」
「聞いてるっつーの!あ、待って!あと何秒!?」
「…何がですか?」
「カウントダウン!時計見て!」
「…残り17秒です。」
「ぎゃーやばい!あ、10秒前からカウントダウンだよ?夏原も!」
「カウントなど、私達がせずとも時計がしてくれ…。」
「あーそういう理屈っぽいことはなし!はいいっくよー!10、9…ほら夏原!」
「…5、4…。」
「3、2、1…ハッピーニューイヤー!
あけましておめでとう!夏原っ!…っ!近いんだけどあんた!」
ちょっと…勢いをつけすぎたあたしも悪いけど…
夏原が本当に少し見上げた先にいる。
「近いと言われても手を温めているわけですし。
…それより、あけましておめでとうございます。」
「…お、めでと…。」
…なんなのよこいつ…人の気も知らないでー!



