「…はぁー……」



部屋に入った途端、全身の力が一気に抜け俺はベッドに倒れ込んだ。そうしたらなぜか鼻の奥がツーンと痛くなってきた。


……前から、思ってた。

先輩は俺のことが好きじゃない。先輩にとって俺は、家が近くてしかも男だから妊娠の心配がない…都合のいい奴。



「そうだってわかってたのに、」



わかってた、わかってたんだよそんくらい。最初から体目当てだって、わかってた。


…なのに。

なんで、なんで……



「………好き、になっちゃったのかな…」