「ただいま。」

「…んだよやっぱり血だらけじゃねーか。」

「傷はそんなに多くないんだけど。」

「みゃー…。」

「大丈夫よ、ミア。怪我は本当に大したことないの。」


心配そうにじっと見つめてくるミアに、ジアは優しくそう言った。


「…それで、足りないものの正体は?」

「シュリ。」

「分かった、という顔つきだ。迷いは消えたか。」

「…迷いは消えた…ってあの人にも言われた…。」

「あの人?」


怪訝そうな顔でジアを見つめるシュリ。
キースは該当者を思い出したような顔つきでいる。


「シャリアス・ウドリック…。」

「シャリアス?シャリアス・ウドリックだと…?」

「シュリ?」


シュリの細い腕がジアの肩を掴んだ。


「シャリアス・ウドリックと名乗ったのか?」

「う…うん…。」

「シャリアス…。なぜ…。」


その言葉の続きはあまりに小さくて、ジアには聞き取れなかった。