「今ほしいものって、これくらいしか思いつかない。」


視界が完全にキースでいっぱいになった。
触れ合う唇も熱い。でもそれ以上に頭の方が熱くなりそうだった。


「っ…ん…。」


長いキスにクラクラする。本当に、冗談なんかではなく。
離れてはまた重なり、そして離れる唇に、けだるく言うことを聞かない身体は何もできない。


ようやく離れ、互いに上がった息が余計にその場の空気を熱くする。


「…っ…か、風邪…うつるっ…。」

「いい…よ…?ジアの風邪なら喜んでもらう…。」


そう言うと、キースはゆっくりとベッドの中に入って来た。あたしの隣に寝転ぶ。


「…キース…?」

「プレゼント、ありがとう。本当にこれで満足だよ。」

「っ…バカ…。」


あたしは恥ずかしくなってキースの方に背を向けた。
すると、するりと長い腕が伸びて来た。
背後からぎゅっと抱きしめられると、キースの香りがぐっと強くなる。


「顔背けるなんて酷いね、ジア。」

「酷くないっ!むしろキースが…!」

「俺が…何?」

「…な、なんでもないっ!」

「そう?」


ぎゅっと腕の力が強くなった。
ドクンドクンと強く打つ鼓動は多分あたしのもので、キースのものでもある。


「…ねぇ、キース。」