ハルアトスの姫君―君の始まり―

「あーもう!もう待ちたくない!
むしろ迎えに行きたいくらいだよ…キース!」


噴水の音だけが聞こえる静かな原っぱで少しだけ大声で叫んだ。
…本当に少しだけすっきりする。


場所がはっきりと分かっているならば本当に迎えに行きたい。今の自分にはどこにいるかも分からない人を勝手に探しに行ける自由さはない。だから踏み出せない。
でも、想いは募る。





「キース…会いたい…っ…。」










そう呟いた、その瞬間。
頭の方から草を踏みしめる音が近付いてきた。





がばっと起き上り剣を掴む。
そして足元から頭の方に向けて視線を動かす。










「…遅くなってごめんね。俺もずっと、会いたかった。」



様々な感情が邪魔をして声にならない。
でもそこには長い間待ちわびた、大切な人が立っていた。