ハルアトスの姫君―君の始まり―

「さぁ、時間だ。楽しみなさい。」

「ジア、顔が少し強張っているわ。」

「っ…き、緊張してるんです!」





「ただいまより復活の祭典を執り行います。
国王陛下、ジェイク様。」


わぁっと拍手が起こる。それに笑顔で応えるお父様はあたしたちに向ける表情とは別の表情を浮かべていた。


「王妃、マリアンヌ様。」


拍手が止むことはない。手を振り返すお母様の表情は優しく穏やかだった。


…次は、自分の番だ。


「そして長き戦いに終止符を打って下さいました、我が国のひいては世界の英雄、第一王女ジア様。」


拍手が先程のものとは比べられないほど大きくなった。その大きさに思わず面食らって表情が堅くなるのが分かった。


「ジア、顔が引きつってんぞ!」

「クロハ!?」


すぐ下を見るとクロハがいた。
声には出さず、口で『らしくねーんだよバーカ』と言うのが目に入り、少しだけいらっとするものの、そのおかげで少し冷静さを取り戻す。
お父様の言った通り、楽しめばいい。初めてのこの空間を。


「最後に、ジア様を献身的に支え、この国に光を導いた、第二王女ミア様。」


ミアはいつも通りの優しい笑顔でそこにいた。


「では第一王女、ジア様よりお話をいただきたく…。」


あたしは大きく一度深呼吸をした。