しかし、そんなことを言ってももう始まらない。
記憶を操作する魔法を習得していても、記憶を復元する魔法なんてものは聞いたことすらない。すなわち、使えはしない。
自分の知る、私の愛したシャリアスに戻ることは夢のまた夢…。奇跡のようなものだ。
そんな奇跡を待つことのできるような、猶予された時間はない。
ジアを一人にしておくことは、世界の死を意味することになるかもしれない。
世界の終わりを阻止するか、叶うはずもない願いの成就を待つか。
二つに一つを選ぶのならば、選ぶべきは間違いなく前者だ。分かっている。
「…シャリアス、終わりだ。
終わらせよう。私達はもう、間違ってしまったんだ。」
たとえ、人の願いだとしても…私達は関わってはいけなかった。
人間と魔法使いは別の世界を生きねばならなかった。
その存在をひた隠しにしたままに。人には気付かれないように。
それがいつしか、同じ空間を生きようとしてしまった。
争いが、歪みを生んだ。
私達魔法使いが争いに関わった。
だからこそ、ジョアンナがああなってしまった。
魔法使いは人間とは異なる、強い力を持つ。
物理的に強いと言える力を。
だからこそ、離れなければならなかったんだ。
それでも過去には戻れない。
間違いを今更正すことはできない。
それならば。
「シャリアス。もうきっと、この界隈に残る魔法使いは私とお前、ジョアンナ…そしてキースだけだ。
ならばこの血を途絶えさせよう。全ての責を負うために。」
記憶を操作する魔法を習得していても、記憶を復元する魔法なんてものは聞いたことすらない。すなわち、使えはしない。
自分の知る、私の愛したシャリアスに戻ることは夢のまた夢…。奇跡のようなものだ。
そんな奇跡を待つことのできるような、猶予された時間はない。
ジアを一人にしておくことは、世界の死を意味することになるかもしれない。
世界の終わりを阻止するか、叶うはずもない願いの成就を待つか。
二つに一つを選ぶのならば、選ぶべきは間違いなく前者だ。分かっている。
「…シャリアス、終わりだ。
終わらせよう。私達はもう、間違ってしまったんだ。」
たとえ、人の願いだとしても…私達は関わってはいけなかった。
人間と魔法使いは別の世界を生きねばならなかった。
その存在をひた隠しにしたままに。人には気付かれないように。
それがいつしか、同じ空間を生きようとしてしまった。
争いが、歪みを生んだ。
私達魔法使いが争いに関わった。
だからこそ、ジョアンナがああなってしまった。
魔法使いは人間とは異なる、強い力を持つ。
物理的に強いと言える力を。
だからこそ、離れなければならなかったんだ。
それでも過去には戻れない。
間違いを今更正すことはできない。
それならば。
「シャリアス。もうきっと、この界隈に残る魔法使いは私とお前、ジョアンナ…そしてキースだけだ。
ならばこの血を途絶えさせよう。全ての責を負うために。」



