【ミアside】
箒に跨るクロハの肩に乗った。
「ミア、肩じゃ危なくね?こっち来い。」
クロハの温かくて大きな優しい左手が私の身体をそのまま抱えた。
「みゃあ。」
「ん?」
伝わらないことがもどかしい。こんなの、何度思ったか分からない。
それでも人間に戻った時に全ての想いを伝えることはできないでいる。ずっと、できなかった。
そんな中で迎える、一つの区切りとも呼べる〝戦い〟
それが今、目の前に迫っている。
クロハが言った言葉が蘇ってくる。
『生きて帰ってこれるかだって分かんねぇ。』
まさにその通りだ。死ぬかもしれない。
言葉にできなかった想いを抱えたまま。
ありがとうも…言えないまま。
お姉様やシュリ様、キース様のことが心配な気持ちもあった。
はじめは、それで震えが止まらなかった。
でも今は…少し違う。
微かに震える身体を、クロハはまたしても優しく撫でてくれる。
「大丈夫だ、ミア。お前を死なせはしない。」
その言葉には頷けない。
「…にゃあ。」
「ん?」
『言いたいことがあるの。
全て終わったら、呪いが解けたら。』
呪いが解けたその時には、きっと言えると思うから。
この口で、自分の声で。
箒に跨るクロハの肩に乗った。
「ミア、肩じゃ危なくね?こっち来い。」
クロハの温かくて大きな優しい左手が私の身体をそのまま抱えた。
「みゃあ。」
「ん?」
伝わらないことがもどかしい。こんなの、何度思ったか分からない。
それでも人間に戻った時に全ての想いを伝えることはできないでいる。ずっと、できなかった。
そんな中で迎える、一つの区切りとも呼べる〝戦い〟
それが今、目の前に迫っている。
クロハが言った言葉が蘇ってくる。
『生きて帰ってこれるかだって分かんねぇ。』
まさにその通りだ。死ぬかもしれない。
言葉にできなかった想いを抱えたまま。
ありがとうも…言えないまま。
お姉様やシュリ様、キース様のことが心配な気持ちもあった。
はじめは、それで震えが止まらなかった。
でも今は…少し違う。
微かに震える身体を、クロハはまたしても優しく撫でてくれる。
「大丈夫だ、ミア。お前を死なせはしない。」
その言葉には頷けない。
「…にゃあ。」
「ん?」
『言いたいことがあるの。
全て終わったら、呪いが解けたら。』
呪いが解けたその時には、きっと言えると思うから。
この口で、自分の声で。



