ハルアトスの姫君―君の始まり―

霞んでいく、視界。
薄れていく、記憶。


彼女の笑顔が少しずつ、見えなくなっていく。
想いが…消えていく。





「ほぉ…面白い。」





ジョアンナの声が脳に直に響いてくる。
…こんな感覚、生まれて初めてだった。





自分の中が空っぽに近くなったその時、自分の意志とは関係なく身体が動く自分に気付いた。





「キース・シャンドルド。
我々の任務はこっちで執り行うんだ。こっちに来てくれるかな?」

「…分かりました。」





〝精神〟と〝肉体〟が切り離されたような感覚。
それでも肉体はシャリアスの言葉、もとい、ジョアンナの言葉にひどく忠実だった。